こんにちは、愛弓です。
私は、大学卒業後に専門学校へ行かず、未経験者のまま、セラピストになりました。
就職したのは、治療院とクイックリラクゼーション店を経営してる中小企業で、私はクイックリラクゼーション店で勤務しました。(治療院にいたのは、研修期間中に少しだけ)
ちなみに、セラピストは契約社員・業務委託契約も多いですが、私は正社員としての採用でした。(”正社員”という言葉に安心感を持っていた私にとって、これはありがたかったです)
今ではリラクゼーション店もたくさんあるし、新卒・未経験者向けに採用や研修をしてるところもたくさんあるかと思います。
が、当時の私には、新卒・未経験者向けに採用・研修をしてる会社は、大手数店舗しか見つけられませんでした。
そして、大学3年、就活が始まったばかりの頃、その大手企業のうち2社の就活に失敗して、その他の会社には、気持ちがのらず面接を辞退していました。
当時の私は、
『専門学校に行かないと、就職できないのかな?』
『セラピストは、正社員にはなれないのかな?』
『未経験じゃ、雇ってもらえないのかな? 他に就職できるリラクゼーション店はないのかな?』
『容姿も、コミュニケーション能力も自信がないし…そんな私じゃ無理かな?』
と、ものすごく不安でした。
無理だった時のために、『ダメだったら、お金をためてから、専門学校に通おう』と考えてもいました。
ぜんぜん自信のなかった私ですが、大卒・未経験者の私でも治療院系列のクイックリラクゼーション店に正社員として就職させてもらえたので、その時の面接のことなどを書いていこうと思います。
大学卒業後の数日間、世界からはじき出された社会不適合者の自分がいた
大学3年、就活が始まってすぐに、リラクゼーション系の会社を2社だけ受けました。
当時の私は、セラピストという仕事に興味はあったものの、『大学までいったのに、この仕事でいいの?』『せっかく大学に行ったのに、セラピスト…しかも契約社員なんて、周囲の人にどう思われちゃうんだろう?』と悩んでいました。
面接に行った時も、”契約社員”という響きに不安を感じて、『契約社員は嫌だな…』と本社勤務の面接を受けました。
そして、接客にしか興味のなかった私は、本社勤務希望の面接を受けても、ぼんやりとした返答しかできないまま、リラクゼーション系の会社の就活は終わりました。
当時、セラピストになることをためらった1番の理由は、『セラピストになりたい』と家族・友人・先生たちに言えなかったことです。
結局、いろんなことがあって、『セラピストになりたい』という気持ちは強くなり…
卒業後に『就職先が見つからなかったから…』と言い訳して、セラピストになることをにしました。
なので私には、大学卒業からしばらくの間、学生でも社会人でもなかった時期があります。
※※
私が大学を卒業したのは、2011年3月のこと。
震災直後だっだので、直前に卒業式がなくなり、『卒業した』という自覚もないまま、ただ卒業証書が送られてきました。
『震災直後だし…。今はまだ就活する時期じゃないよね。』と、誰に対してかもわからない言い訳をして、現実逃避していたんだと思います。
4月1日、テレビで入社式の様子が流されました。
その映像を見ながら、なんだか気持ちが重くなって、ものすごい孤独感を感じました。
大学時代の友人が社会人になるのに、私だけがまだ就職せず…なんだか自分だけが、社会から取り残されてるような、世界からポーンとはじき出されてしまったような感覚でした。
学生でも社会人でもなく、何者でもない…。
『お前は、社会不適合者だ』と誰かに責められてるような、そんな気がしました。
でも、いざ『就活しよう』と思っても、何から始めていいのかもわからず、体やが重だるく、動けませんでした。
うまくやる気が出せず、『もう少し、もう少し…』と先延ばしにしながら、『どうしてちゃんとできないんだろうな…』と自分を責める気持ちでいっぱいでした。
エントリーから数時間、面接が決まった
それから6日位ほど経ち、
夜中にふと、『あ、そろそろ就活しよう!』と思い立つと、体のだるさがなくて、すぐに動けるようになりました。
そのままの勢いでパソコンを立ち上げ、神奈川・東京(23区外)のリラクゼーションサロンに、片っ端からエントリー。
(本当は、東京への憧れがあって、『東京(23区、特に新宿)で働きたい』と考えてた。でも、自信がないから『他で就活の練習をしてから東京(23区)にエントリーしよう』って思ってた。)
ホームページなどを確認しながらだったこともあり、明け方までエントリーして、そのまま爆睡…。
お昼ごろに目を覚ますと、留守電に「今日、面接に来れますか?」のメッセージが残っていました。
『…えっ!?』
急すぎる連絡に、すごく焦った。焦ってるのに、嬉しくて顔がにやけた。
その会社のことも、お店の雰囲気も知らなかったし、履歴書・写真も準備してなかった。
そんな状態なのに、なんとなく『このチャンスは逃しちゃいけない』と思った私は、そのままの勢いで電話をかけ、「今日は予定があるので…明日でも大丈夫ですか?」と聞いていた。
面接時間、場所を聞き、持ち物を確認する。
「スーツで行けば、大丈夫ですよね?」
普段ならそんな確認はしないのに、この時はなぜか確認した。
電話越しに笑い声が聞こえて、「スーツなんて着てこなくていいよ。普段着で」と言われた。
(聞いといてよかった~)
電話を切ってから、ものすごく焦った。
『明日にしちゃった…どうしよう?』
焦ってるのに、なぜか顔が緩む。
嬉しくて、楽しみで、わくわくして…にやけてしまう。
『もしかして、このままセラピストになれちゃうんじゃない!?』と妄想は膨らみ、ニヤニヤ。
急いで履歴書を買い、写真を受け取りに行った。
会社のことも調べようとするんだけど…ネット上には、ほとんど情報はなくて…。
ただ、私が『こんなお店だったらいいな~』と夢見てたリラクゼーションサロンとは全く違って、すごく治療院っぽい雰囲気だった。
自分の望んでいた雰囲気とあまりのも違いすぎて、『本当にここでいいの?』と不安も感じた。
でも、嬉しくて、楽しみで、ワクワクして…自然と顔がにやけちゃう。
理由はわからないけど、『このチャンスは逃しちゃいけない』と思ったし、なんとなく運命的なものを感じて妄想マックスな私に、”やめる”という選択肢はなかった。
『でも、面接の練習にはちょどいいかな~』と自分の思考に言い訳して、面接の準備もしないまま、面接をむかえた。
面接当日
名前も知らなかった駅、聞いたこともない整骨院の名前…
よく晴れた日の昼間、面接に向かった。
いつも通りの面接。
整骨院のドアを開けると、白衣を着た、恰幅のいい男性が笑顔で迎え入れてくれた。
「じゃ、ここに座ってー」
彼の後ろには、体のことを書いたポスターが貼ってある。
見慣れなくて、少し不安になる。
治療器具と、施術ベットが並んだ院内。
治療院なんてすごく久しぶりで、なんだか緊張した。。
『大丈夫かな?』と不安に思ってると、彼は「ごめんねー」と言った。言葉では謝ってるのに、めちゃくちゃ元気で堂々としてる。
今はお昼休憩中で、他の先生や受付のお姉さんは、お昼休憩に行ってるらしい。
他にも人がいることを聞いて、少しほっとした。(あんな広い空間で、他に人がいる気配がないままだったら、恐くて、緊張したままだったと思う…)
履歴書を手渡すと、「こんなに書いたの!?」と彼は驚いた。
「えっ!? みなさん、そんなに書いてないんですか!?」と、私も驚いた。
どうやら、そこまでギッシリと書いた履歴書を持ってきた人はいなかったらしい。
履歴書を読んだでから彼は質問し、私は緊張しながら質問に答えていく。
普段より少しだけ姿勢よく座り、緊張で少しひきつった笑顔。
自分の発した声を聴くと、少しだけ落ち着いた。
いつもの就活と同じように、誰にも否定されにくいような言葉を並べる。
自分の気持ちに嘘はつかず…でも、否定されないように言葉を選ぶ。
初めて面接を受けた時のように、自分の夢をバカにされたり、全否定はされたくない。
語りすぎず…でも『この人は、どこまで受け入れてくれるだろう?』と様子をうかがいながら話した。
一通り質問が終わると、「じゃ、結果は後日連絡するねー」と彼は言った。
面接後の会話で本心をさらけ出し、心が決まった。
その後、普通の会話が始まった。
彼は、今までのどの面接官よりも話がうまかったんだと思う。
いつのまにか私は楽しくなって、今までは言えなかった気持ちを語り始めた。
- 本当は、化粧品業界に興味があったこと。でも、化粧品業界では、自分の夢を叶えられる会社ないと感じ、それでも夢を諦められなかったこと。
- お客様のためにならないことは、絶対にしたくないこと。それが会社に求められることだったとしても。
- 会社ではなく、お客様に寄り添っていたいこと。ただお客様のことを考えて、一生懸命になりたいこと。
- 学祭の時に感じた、あの癒しの空間を提供したいこと。
- 自分の夢を叶えられる場所がないと感じたから、自分で作りたいこと。その初めの一歩として、セラピストを選んだこと。
- この会社も辞めて、いつかは独立するつもりでいること。
正直なところ、自分でも何を話してるかなんてわからなかった。
ただ、思いつくままに、自分の本心を好きなだけ語ったんだと思う。
『こんなことを言ったら、面接落とされるだろうな』と思うことまで語った。
『この人は、どこまで受け入れてくれるだろう?』と、彼を試す気持ちもあったと思う。
彼は、私の夢を否定したりバカにしたりしなかった。
むしろ、すごく協力的で、将来のことを一緒に考えようとしてくれた。自分が力になれる可能性も考えてくれた。
会社を辞めるつもりだと言ったのに、それでも応援してくれた。
話してる途中、私の頭の中では、この会社で働いてるビジョンがいくつも見えた。
自分のイメージとは違った治療院らしい雰囲気にも、『ここで、ちゃんとした知識を身に着けるものいいかもしれない』と好意的に感じた。
なぜか『ここしかない』『ここがいいんじゃない!?』頭の中で声が響いた。
そんな会話と空想の中、ふと彼を見ると、『あ、あと一押しで就職は決まるな』と感じた。
『この場で決着をつけたい』『決めたい』
まるでゲームのようような感覚で、最後の一押しをした。
※※※
彼が、ふっと真剣な顔になった。
「もし、今ここで採用したら、いつから来れる?」
一瞬、迷った。さっきまでの気持ちが揺らいだ。
『本当は、もっとリラクゼーションっぽいお店がいいんだよな…』とか『本当は、新宿がよかったんだけどな…』とか、いろんな思いが頭をよぎる。
でも、もう自分の中で答えは出てた。
『どうせマッサージをするなら、ちゃんとした知識を身につけて、本物になった方がいい。じゃなきゃ、本当の意味でお客様に寄り添えない。
ここなら、ちゃんとした知識を得られるかもしれない。』
『この人ならきっと、大丈夫だ。本物だ。』と、頭の中で声が響く。
リラクゼーションっぽい雰囲気とか、新宿がいいとか…そんな思いを断ち切るかのように、頭の中で声を響かせる。
「いつからでも!」と、私は前のめりになって言った。
声に出したら、すごくドキドキした。
『本当にこれでよかったの?』『もう後戻りできないよ?』と不安もあるけど…それ以上に、これからのことが楽しみでワクワクした。
「さすがに、明日とかじゃ急すぎるでしょう」と彼は笑い、土日をはさんで…月曜日から働くことになった。
そのわずが2・3日が、働き始めるまでの準備期間だった。
最後に…
今回は、私が大卒・未経験者だった頃に、治療院系列のクイックリラクゼーション店に就職した時の面接の雰囲気をメインに書いてきました。
『いやいや、そんなわけないでしょ!』とか『まぁ、そんなもんなんじゃない?』とか『へぇ~』とか…人によって、感じ方は違うだろうなと思います。
が、これが、私がセラピストになった時の面接でした。
- 未経験でも、セラピストとして就職できる可能性はあるんだよ。
- 求められる自分になろうとするんじゃなくて、自分の気持ちを伝えて、自分に合う会社(お店)を見つけた方がいいかもしれないよ。
- 「運命」なんて言うと胡散臭いかもしれないけど…
絶妙なタイミングで、自分に合う会社(お店)が見つかることもあるから、『ダメだ』『自信がない』って思っても、『やりたい』って気持ちがあるなら頑張ってみよう。
まぁ、どんなことでもいいんですけど…
私の体験談を読んで、何か感じてくれたことがあれば嬉しいなと思います。